口内炎がたくさんできる!? 口内炎の原因と対策・治療法を紹介

こんにちは、秋田のハピネス歯科クリニック 大久保です。今回は、多くの方を悩ませる口内炎がたくさんできてしまう問題についてお話します。
食事中に口の中がしみたり、歯ブラシや歯が当たって強い痛みで悲鳴を上げたり……。口内炎は一度できてしまうとうんざりしますよね。しかし、その口内炎が一度にたくさんできてしまうことがあります。
一度にたくさん口内炎ができると、ほぼ食事ができなくなるうえに、どうしたのだろうと心配になるもの。日常生活にも支障がでてくるでしょう。
この記事では、口内炎の種類や原因、口内炎ができたときの対処法や治療法について紹介します。一度にたくさんの口内炎ができたときに考えられる原因についても触れますので、ぜひ参考にしてください。
口内炎は口の中にできる粘膜の炎症のこと
口内炎とは、口内の粘膜にできる炎症のことです。唇の裏側のみならず、舌や歯茎、喉などさまざまな場所にできます。
初期は普通にしていると痛みはありませんが、炎症が広がるにつれてだんだん大きくなり、食事の際に温度や調味料で激痛を起こすなど、日常生活に支障を与えます。
通常は、1週間から10日程度で自然に治ります。ただし、免疫力が下がっているときや、口内炎が同時にいくつもできている場合、舌や指で何度も触れてしまうと治りが遅くなることも少なくありません。食事がほとんど取れないといった場合には栄養が得られなくなってしまうため、早めに病院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
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口内炎の種類と原因

口内炎には、原因によって以下のようにさまざまな種類があります。
- ・アフタ性口内炎
- ・カタル性口内炎
- ・ウイルス性口内炎
- ・カンジダ性口内炎
- ・その他の口内炎
- ・女性特有の原因からなる口内炎
アフタ性口内炎
最も多く見られる口内炎が、アフタ性口内炎です。
口内の粘膜に白く丸い潰瘍(かいよう)ができ、飲食物にしみたり痛みがあったりします。
原因はビタミン不足やストレス過多、睡眠不足などです。生活習慣が乱れているというサインであるため、食事内容や睡眠状態を見直してください。
なぜストレスが粘膜に関係するか
ストレスや疲労で自律神経が乱れると、血管が収縮して血流が悪化します。すると、お口の粘膜の「ターンオーバー(再生サイクル)」に必要な栄養が届かず、停滞してしまいます。
本来、お口の粘膜は約2週間で新しく作り替えられていますが、このサイクルが遅れると粘膜の壁が薄くなり、修復が追いつかなくなります。 その結果、普段なら平気なわずかな刺激でも簡単に傷つき、そこから細菌が入って「口内炎(粘膜の穴)」ができやすくなるのです。
カタル性口内炎
カタル性口内炎は、お口の中の物理的な刺激が原因で起こる炎症です。赤い斑点状の炎症が特徴ですが、中には水疱ができることもあります。
【主な原因】
頬の内側をうっかり噛んでしまった傷、合わない入れ歯や矯正器具の摩擦、熱い食べ物による火傷などがあります。
【同時多発するケース】
たとえば、矯正器具が複数の箇所に当たっていたり、古くなった入れ歯全体の適合が悪かったりすると、一度に広範囲にわたって口内炎ができることがあります。お口の中に「いつも当たる場所」がある場合は、歯科医院での調整が不可欠です。
ウイルス性口内炎
ウイルスに感染することで発症するタイプの口内炎です。小さな水ぶくれが集まってでき、それが破れて強い痛みを生じることがあります。
【ヘルペス性歯肉口内炎】
単純ヘルペスウイルスの感染により、歯ぐきや粘膜に激しい炎症が起きます。
【手足口病・ヘルパンギーナ】
主に「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」などの、いわゆる「夏風邪ウイルス」が原因です。子供に多い疾患ですが、大人も感染します。
【見分け方のポイント】
アフタ性口内炎と異なり、「38度以上の発熱」「全身のだるさ」「喉の痛み」など、風邪のような全身症状を伴う場合は、ウイルス性を疑います。感染力が強いため、周囲へ広げないよう早めの受診が必要です。
カンジダ性口内炎
お口の中に常に存在する「カンジダ」というカビ(真菌)が異常に増殖して起こる口内炎です。
症状の特徴は、頬の内側や舌に付着する、白い苔(こけ)のような膜があることです。これを拭うと赤く腫れて痛みが出ることがあります。
カンジダ菌は本来は無害な菌ですが、免疫力が著しく低下しているときや、長期間の抗生物質の使用によってお口の菌のバランスが崩れた時(菌交代現象)に発症しやすくなります。
唾液が少なくなっている高齢の方や、入れ歯を夜寝る時も外さず不衛生な状態が続いている方に多く見られます。
その他の口内炎
薬や金属、特定の食品にかぶれるアレルギー性口内炎や、たばこを吸う人に特有のニコチン性口内炎などがあります。
女性特有の原因からなる口内炎
女性はライフサイクルの影響で、口内炎ができやすい時期があります。
更年期を迎え、女性ホルモンである「エストロゲン」が減少すると、全身の粘膜が乾燥しやすくなります。お口の中も例外ではなく、唾液の分泌が減る「ドライマウス」を併発しやすくなります。 先述の通り、唾液は粘膜を守るバリアのような役割を果たしているため、エストロゲンの減少によってバリア機能が低下すると、少しの刺激で粘膜が傷つき、一度にたくさんの口内炎ができたり、治りにくくなったりするのです。生理前などに再発を繰り返す方も、ホルモンバランスの変化が関係していると考えられます。
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急に口内炎がたくさんできた! 考えられる原因

通常、口内炎は複数できても2個程度です。しかし4つ5つと一度に大量発生することもあります。そのようなときに考えられる以下のような原因について、整理していきましょう。
- ・免疫力の低下
- ・栄養不足
- ・口内環境の悪化
- ・生活環境の乱れ
免疫力の低下
口内炎が同時にいくつもできる原因として、まず考えられるのが免疫力の低下です。
強いストレスが続いている、睡眠不足が慢性化している、疲労が蓄積しているといった状態では、体の防御機能が弱まり、口の中の粘膜もダメージを受けやすくなります。
その結果、わずかな刺激でも炎症が起こりやすくなり、複数の場所に口内炎ができてしまうことがあります。
特に、仕事や家事、育児などで忙しく、休息が十分に取れていない方は注意が必要です。
栄養不足
栄養バランスの乱れも、口内炎がたくさんできる大きな原因のひとつです。
とくに、ビタミンB2・B6・B12は、口の中の粘膜を健康に保つために欠かせない栄養素です。これらが不足すると、粘膜の修復がうまくいかず、炎症が起こりやすくなります。
外食やコンビニ食が続いている、食事の回数が少ない、偏った食生活が続いているといった場合、知らないうちに栄養不足に陥っていることもあります。
「最近、食事が適当になっている」と感じる方は、口内炎の多発との関係を疑ってみるとよいでしょう。
口内環境の悪化
口の中の環境が悪化している場合も、口内炎が一度にたくさんできやすくなります。
たとえば、口呼吸の習慣があると口の中が乾燥しやすく、唾液による自浄作用が十分に働きません。また、歯磨き不足によって細菌が増えたり、逆に力を入れすぎた歯磨きや刺激の強いケアを続けていたりすると、粘膜が傷つきやすくなります。
こうした状態が重なることで、口の中のあちこちに炎症が起こり、複数の口内炎につながることがあります。
生活環境の乱れ
不規則な生活や生活習慣の乱れも、口内炎の多発に影響します。
夜更かしや不規則な生活リズム、喫煙や過度の飲酒は、体全体の回復力を低下させる原因となります。また、精神的なストレスが強い状態が続くと、前に述べたように免疫機能がうまく働かなくなることもあります。
こうした生活環境の乱れが積み重なることで、口内炎が治りにくくなったり、新たな口内炎が次々とできたりすることがあるのです。
口内炎ができたときの対処法&セルフケア
口内炎は多くの場合、適切なセルフケアによって症状の悪化を防ぎ、治りを早められます。そこでまずは、日常生活の中で実践しやすい対処法から見ていきましょう。
自宅でできるケア
自宅でできるケアには、以下のようなものがあります。
- ・口腔内を清潔に保つ
- ・刺激を避ける
- ・十分な睡眠をとる
口の中が不衛生な状態だと細菌が増殖し、口内炎が治りにくくなります。そのため、痛みがあっても歯磨きを完全に避けるのではなく、やわらかめの歯ブラシを使い、患部を避けながら丁寧に磨くようにしましょう。刺激の少ない洗口液を併用するのも有効ですよ。
また、香辛料の多い食事やアルコール、熱すぎる飲食物は、口内炎の粘膜を刺激し、痛みや炎症を悪化させる原因になります。治るまではできるだけ刺激の少ない食事を心がけましょう。
免疫力や回復力を上げるために欠かせないのは、十分な睡眠時間の確保です。睡眠不足は免疫力の低下につながり、口内炎の治癒を遅らせます。単に長く寝るだけでなく、就寝前のスマートフォン使用を控える、寝る直前の飲食を避けるなど、睡眠の質を高める工夫も重要です。
食事で気を付けるポイント
口内炎ができている間は、硬い食べ物やせんべいなど、粘膜を傷つけやすい食品は控えるようにしましょう。また、酸味の強い柑橘類や香辛料の多い料理も、症状が落ち着くまでは控えた方が安心です。
口内炎のときに積極的に摂りたい栄養素は、ビタミンB群(B2・B6・B12)です。ビタミンB群は粘膜の健康維持に欠かせません。レバー、卵、乳製品、緑黄色野菜などを意識的に取り入れるとよいでしょう。食事だけで補いにくい場合は、サプリメントを活用するのも一つの方法です。
口内炎の治療法

続いては、市販薬や医療機関での口内炎の治療法を紹介します。
市販薬での対応
口内炎用の軟膏や貼付薬(シールタイプのものなど)は、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
使用する際は、患部を清潔にしてから説明書どおりに使いましょう。ただし、長期間使用しても改善しない場合や、症状が悪化する場合は、自己判断を続けず医療機関を受診するようにしてくださいね。
医療機関でできる治療
口内炎は、歯科、耳鼻咽喉科、口腔外科などで治療します。患部の状態を見て、以下のような処置を行います。
- ・レーザー治療
- ・薬物処方
- ・口腔内クリーニングと調整
レーザー治療は口内炎にレーザーを当て、光によって発生した高熱による殺菌や、炎症部位を変性させて表面に膜を作ることで症状を改善する方法です。痛みも少ないですが、自費治療になるためクリニックによって料金は異なります。
炎症の程度に応じて、塗り薬や内服薬が処方されることがあります。自己判断で市販薬を使い続けるより、適切な治療につながるケースも少なくありません。
また、歯の汚れや合っていない詰め物・被せ物が口内炎の原因になっていることもあります。何度も同じ場所に口内炎ができるという場合には、クリーニングや噛み合わせの調整をして、再発予防につなげます。
口内炎が多発・再発する場合に考えたいこと
一時的な口内炎ではなく、何度も繰り返す場合には、生活習慣や体の状態を見直す必要があります。
繰り返す口内炎の特徴
以下のような場合は、慢性的なストレスや栄養不足、口腔内のトラブルが背景にあるかもしれません。
- ・月に何回もできる
- ・治ってもすぐ次ができる
- ・同じ場所にできる
前述したように、歯や銀歯・詰め物などの先が当たっていないかの確認、そして調整も必要です。
注意が必要なサイン
ただし、以下のような場合には注意が必要です。早めに医療機関へ相談するようにしてください。
- ・2週間以上治らない
- ・数が10個以上ある
- ・強い痛み・発熱を伴う
稀に、口内炎と思っていたものが別の病気であるケースもあります。気になる症状が続く場合は、自己判断せず専門家の診察を受けるようにしましょう。
稀に考えられる病気
一般的に口内炎は一時的な粘膜の炎症ですが、中には大きな病気が隠れているケースもあります。
以下は、症状のひとつに口内炎が含まれる病気です。それぞれの症状の特徴も紹介しますので、病気のサインでないかを確認してください。
【自己免疫系疾患】
ベーチェット病やリウマチ、バセドウ病、シェーグレン症候群などです。他の症状には目のかすみや痛み、運動麻痺、疲れやすさなどがあります。
【糖尿病】
糖尿病は、血液中のブドウ糖が増えすぎてしまう病気です。他の症状には疲れやすさや喉の渇き、頻尿、体重の減少などがあります。
【がん】
口腔がんや舌がんがあります。通常の口内炎とは異なり、痛みの症状がない口内炎が長期間発生します。
【潰瘍性大腸炎】
大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる原因不明の疾患です。口内炎以外の症状には、腹痛や下痢、血便、発熱、倦怠感、関節痛などがあります。
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口内炎がたくさんできるときのよくある質問

口内炎が一度にたくさんできると、「何か大きな病気では?」と不安になるものですよね。そこで、患者様からよくいただく質問に、歯科医師の視点でお答えします。
Q:口内炎が一気にたくさんできるのはなぜ?
A:全身の免疫力が低下している、またはウイルス感染の可能性があります。
通常、口内炎は1個〜数個程度ですが、一気にたくさんできる場合は、過労や栄養不足で体の防御反応が極端に落ちているサインであると考えられます。また、ウイルス感染(ヘルペスや手足口病など)の場合は、粘膜の広い範囲に一斉に水ぶくれや炎症が広がることがあるため、症状が確認できたら医療機関を受診しましょう。
Q:ストレスだけでこんなにできますか?
A:はい、十分にあり得ます。
ストレスは自律神経を乱し、粘膜を保護する唾液の分泌を減らします。さらに、ストレスによって血管が収縮すると粘膜の再生が遅れるため、普段ならすぐに治るような小さな傷がすべて「口内炎」として悪化し、結果としてお口の中に多発してしまうのです。
Q:何日治らなければ病院に行くべき?
A:2週間がひとつの目安です。
一般的な口内炎であれば、1週間から10日ほどで自然に治ります。しかし、2週間経っても治らない、あるいは痛みがどんどん強くなる場合は、単なる口内炎ではなく、他の疾患(口腔がんや難病の初期症状など)の可能性も否定できません。迷わず歯科医院を受診してください。
Q:歯医者と内科、どちらを受診?
A:お口の中の症状がメインなら、まずは「歯科・口腔外科」へ行きましょう。
歯科医院では、口内炎に直接アプローチするレーザー治療や、粘膜保護に特化した処方が可能です。ただし、高熱が出ている、体に発疹がある、強い倦怠感があるといった全身症状を伴う場合は、内科や小児科の受診が必要になるケースもあります。判断に迷う際は、まずはお近くの歯医者さんへ電話で相談してみることをおすすめします。
Q:子どもにたくさんできたときの見分け方は?
A:「発熱」と「場所」を確認してください。
お子様にたくさんの口内炎ができた場合、夏場なら「手足口病」や「ヘルパンギーナ」が疑われます。手のひらや足の裏に発疹がないか、喉の奥に強い痛みがないかを確認してください。また、歯ぐきが真っ赤に腫れて出血を伴う場合は「ヘルペス性歯肉口内炎」の可能性があります。いずれも感染力があるため、早めに小児科や歯科を受診しましょう。
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Q:ハチミツや塩を塗るのは本当に効果がある?
A:医学的な根拠はなく、逆効果になる恐れもあるためおすすめしません。
ハチミツには殺菌作用があると言われますが、市販のものは糖分も多く、かえって細菌の繁殖を助けてしまうリスクがあります。また、塩を塗るのは粘膜を強く刺激し、炎症を悪化させて痛みを長引かせるだけです。自己判断の民間療法に頼らず、まずは清潔な状態を保ち、必要であれば専用の薬を使用するのが一番の近道です。
口内炎がたくさんできたら生活習慣の見直しを! 早めの病院受診も大切
ただでさえ憂鬱な気分になる口内炎ですが、それが一度に大量にできると日常生活も普通には送れなくなってしまいますよね。
多くの場合、口内炎は生活習慣の乱れが原因であるため、食事や睡眠、運動に気を付けると1週間程度で完治します。しかし、大量にできるとなると話は別。大きな病気が隠れている場合もあるため、できるだけ早めに病院を受診して原因を突き止めてくださいね。
そして日ごろからビタミンB群を積極的に摂取し、夜はしっかりと寝て、免疫力の低下を防ぐようにしましょう。







