虫歯の治療は一日で終わらない? 理由4つを紹介!
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
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- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
歯が痛くなって歯医者へ駆け込んだら、何日もかかって治療をしてくれた! 痛みがなくなったのは嬉しいけれど、治療に何度も通うことが大変だった…。そんな風に思う方は多いです。中には「本当はさほど時間がかからないのにあえて日数をかけて診察し、診療代を増やしているのではないいか?」 と考える人もいるほど。
しかし歯医者はわざと治療に時間をかけているわけではありません。ここでは虫歯治療がどうして1日で終わらないのか、その理由や根拠、早く終わらせるにはどうすればいいかなどを紹介していきます。
虫歯の治療は1日では終わらない!
虫歯の治療は1日では終わりません。通常は2~3回程度の通院が必要、これが結論です。とはいっても、インターネットで検索すれば1日で治療可能ですと宣伝している歯科もありますよね。確かにやろうと思えば1日で治療を完了することはできます。ただし、それは自費治療の場合だけ。健康保険を使って治療をしようとすれば、必ず一定の時間がかかってしまいます。
さらに虫歯の状況や治療内容によってもかかる時間は違います。少しでも治療時間を短くしたいなら、虫歯を悪化させないことが大切。自分で毎日行っている歯のケアを見直し、ひどい状態で歯科へ駆け込むことがないようにしていきましょう。
虫歯の治療が1日で終わらない理由4つ
では、どうして虫歯の治療には2~3回の通院が必要なのでしょうか。ここではその理由を紹介します。以下4つが、虫歯治療に時間がかかる理由です。
- ・治療は段階的に行うから
- ・虫歯によって進行状況が違うから
- ・治療は1本ずつ行うから
- ・保険治療にはルールがあるから
理由①治療は段階的に行うから
歯医者が他の医科と大きく違う点は、投薬だけで治せる症状がほとんどないことです。
歯医者に駆け込む頃には、痛みや腫れなどの自覚症状が出ている方がほとんどですよね。虫歯で何らかの自覚症状があるときは、すでにかなり進行しています。そのため、たとえば抗生剤や痛み止めの処方だけで治療を完了できる状態ではありません。
歯科治療には、削る・隅々まで消毒する・薬剤を穴に詰める・歯型を取る・金属を被せる・歯茎を切るなど外科的処置も含め、手間がかかる作業ばかりです。
それら手間がかかる処置は、段階を踏まないと次へは進めません。歯を削って穴をあけてからでないと内側の消毒はできません。さらに薬剤を詰めたあとでなければ、金属は被せられないのです。
1本の歯であっても治療段階が多く、それだけ時間がかかることになります。
理由②虫歯によって進行状況が違うから
虫歯の治療と一言でいっても、その状況は歯によって違います。まだ穴が開いていない初期虫歯であれば削らずに薬剤塗布で様子を見ることもありますが、進行がひどければ一気に作業内容が増えます。
1回にできることは限られているため、どうしても複数回の通院が必要です。
理由③治療は1本ずつ行うから
複数の歯を同時進行で治療すれば、もっと早くなるのでは?と考える方もいるでしょう。しかし歯の治療は1本ずつ行うのが基本です。
その理由は、治療と同時に口全体の噛み合わせバランスを考えているから。人にとって、正しい噛み合わせはとても重要です。噛み合わせのバランスが崩れると、食いしばりや歯ぎしり、頭痛、顎関節症などの原因になります。
歯科では、1本の歯を治療しながら歯肉や神経組織の状況をみているのです。そのため、不具合が起きているすべての歯を治療するには時間がかかります。
理由④保険治療にはルールがあるから
日本は皆保険で、国民は健康保険を使って治療をしてもらえます。実は、保険を使って診療するためにはルールや制限があり、歯科医はそれを忠実に守らなければなりません。
たとえば歯石を取ったとしましょう。見える部分の歯石を取ったら、その後どのように変化したかを検査します。問題があれば歯ぐきの中の歯石も取っていくことになりますが、それも保険上のルールです。治療の進め方があらかじめ決められているため、自分勝手には治療を進められないのです。
虫歯治療が1日で終わらない根拠
では続いて、虫歯治療が1日で終わらない根拠を2つ紹介しましょう。時間がかかってしまうのは、以下2つの事実があるからです。
- ・出血や腫れをしずめる必要性がある
- ・詰め物製作には時間がかかる
出血や腫れをしずめる必要性がある
虫歯の状況にもよりますが、ひどく悪化してから来院する方の歯ぐきは出血していたり腫れていたりすることが多いです。
腫れているのは、炎症が起きているから。まずはこれを鎮めないと治療にかかれないというケースもあるため、抗生剤をだして腫れや痛みがおさまるのを待ちます。
歯科医は、薬が効果を発揮して腫れや痛みがおさまる日を予測し、次の診療日を決めます。今日は薬だけで治療をしてくれなかったという場合は、腫れなどがおさまるのを待っている可能性が高いです。
詰め物製作には時間がかかる
虫歯治療であけた穴にする蓋は、頑丈で安い金属素材がよく使われます。この金属の詰め物は歯科医では作れず、歯科技工士という専門科が製造します。患者の歯型をとって技工士に依頼し、それが出来上がるまでには数日が必要。さらにいざそれを入れようと思っても、まだ腫れが引いていないなどが理由で詰められないこともあります。
これらの理由から、やはり虫歯治療は1日で終わらせることはできません。
虫歯治療にどのくらいの日数がかかる? 短期間の場合と長期間の場合
虫歯によって進行状況が違うため、当然治療にかかる期間も違います。一般的な虫歯治療は2~3回の通院が必要ですが、中には1回で済む場合もありますし、何カ月もかかる場合もあります。それぞれがどのような状況かを説明しましょう。
治療が短期間で済む場合
定期健診や他の治療で来院したときに発見される、初期虫歯。まだ痛みや違和感など自覚症状がないときに見つけられた虫歯の場合、治療は即日で済む場合が多いです。
ちょっと表面を削ればいいだけの状態であればレジンで削った部分を埋め、固めて終了です。掃除をしてフッ素塗布をするだけのときもあり、治療は短期間で済みます。
治療が長期間になる場合
治療期間が長引いてしまうのは、ひどく進行している虫歯です。痛みのあまり夜も眠れないというレベルで歯科に駆け込んだ方は、多くの場合神経まで菌に侵されている状態。神経を抜いて消毒し、詰め物をして蓋をし、最後に噛み合わせのバランスを整えて清掃するところまで、フルコースの治療になります。腫れがあれば引くまで待つ必要がありますし、金属が出来上がるのを待つ時間もかかります。
しかも同時に何本も虫歯が発見されたとすると、すべての治療が終わるまで1カ月以上かかることも珍しくありません。
治療を早く終わらせたいなら?
虫歯治療を早く終わらせたいのであれば、そもそも虫歯にならないこと、もしくはなってしまっても早期発見できるようにすることが大切。具体的には、毎日の歯磨きで歯ブラシによるブラッシングだけでなく、フロスを使って歯間まできっちり掃除をすることです。
さらに、定期健診に通いましょう。3カ月か4カ月ごとに歯医者に通って点検と掃除をすれば、必ず不具合を早期発見できます。
分っているけれどなかなかそうもいかない、という方は、保険治療を諦めるという方法もあります。
一般の歯科では保険診療であるために、厳しいルールに則った治療を行わなくてはなりません。しかし自費治療であればルールや制限がないので、虫歯を1日で治療することが可能です。
インターネットで検索すれば、虫歯は自費治療で即日終了できますという歯科がいくつも見つかるでしょう。治療時間が3時間を超えても構わない、万単位のお金を払ってでもとにかく早く終わらせたいという方は、そういうクリニックを利用するのも1つの方法です。
虫歯治療に時間がかかるのは理由がある! セルフケアで悪化を予防しよう
虫歯治療に時間がかかるのは、治療にルールや制限があること、段階を経て行う必要があるからです。決して歯科が診療費を儲けようと思って引き延ばしているわけではありませんので、覚えておいてくださいね。
治療時間を短くするにはセルフケアの充実と歯科での定期健診が必須です。自分でできることをしっかりと行い、数カ月置きにプロに隅々まで確認してもらう。これを繰り返せば、虫歯治療で時間を取られて困ることはなくなりますよ。