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歯科医師の考える電動歯ブラシでの磨き方のコツとメリットやデメリット


歯科医師の考える電動歯ブラシでの磨き方のコツとメリットやデメリット

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電動歯ブラシはとても便利! 自力ではなかなかできないレベルまで歯の表面をつるつるにしてくれると人気ですよね。

しかし、電動歯ブラシは正しく使わないと歯を痛める可能性が高い道具でもあります。普通の歯ブラシと同じように使っているとしたら、そのうち歯のトラブルが発生するでしょう。

ここでは電動歯ブラシの正しい使い方や磨き方のコツ、電動歯ブラシの種類などを紹介します。今すでに電動歯ブラシを使っているという方、そしてこれから使ってみようかなと考えている方は参考にしてください。

正しく使わないと逆効果にも! 電動ブラシでの歯の磨き方には注意しよう

電動歯ブラシは、普通の歯ブラシとは全く違うものであるという認識を持ちましょう。大きな違いは、普通の歯ブラシは自分で毛先を動かして汚れをこすり落とすのに対し、電動歯ブラシは汚れを粉砕して落とすことです

そのため、電動歯ブラシを普通の歯ブラシと同じように使うと歯や歯ぐきを傷めてしまいます。実際に多くの方が間違った使い方をしており、自分では磨けているつもりでも歯科検診では汚れが落ちてませんよと指摘されているのです。

歯の表面は一度傷付けると戻るまでに時間がかかります。歯磨きは毎日のこと。毎日数回にわたって歯の表面を傷める行為をしていたら、回復する時間もないですよね。

一度しっかり電動歯ブラシの正しい使い方、磨き方を確認しておきましょう。

 

電動歯ブラシを使った磨き方のコツ5つ

電動歯ブラシを使った磨き方のコツは以下の5つです。

  • ・毛先を軽く当てる
  • ・ゆっくりと動かす
  • ・動かす順番を決める
  • ・歯磨き粉は不要
  • ・フロスを併用する

順番にみていきましょう。

 

毛先を軽く当てる

電動歯ブラシの毛先が歯の表面に「軽く」当たるようにしてください。力は必要ありません。電動歯ブラシは自力で回転したり振動したりして動くため、人はそれをサポートするだけでOKです。

電動歯ブラシの振動はブラシの毛先に集中し、一番力がかかるように設計されています。そのためブラシを歯や歯ぐきとの境目に強く押し当ててしまうと、せっかく振動が集中している毛先が崩れて歯の表面に当たりません。結果、歯垢が奇麗に取れず、磨き残しが発生します。

 

ゆっくりと動かす

電動歯ブラシの特徴は自ら振動して汚れを粉砕すること。そのため、普通の歯ブラシと同じようにゴシゴシと動かせば、振動がしっかり歯垢へ伝わる前に移動してしまって汚れを落とせないままになってしまいます。

電動歯ブラシは毛先を軽く歯の表面にあて、力をいれずゆっくりと動かしましょう。

奥から前に向かってゆっくりとずらしながら移動させることで、効果的に歯垢が落とせます。

 

動かす順番を決める

電動歯ブラシの振動や歯磨き粉の泡に誤魔化されて、実はまだ磨いていない歯が多く残ってしまいがちです。電動歯ブラシを使っているのに虫歯になったという人は、やはり磨いたつもりで磨けていない場所があるということ。そのため電動歯ブラシを使うときは鏡を見て、一つ一つの歯を確認しながら磨いていきましょう。

電動歯ブラシを動かす順番を決めておけば、磨き残しは減るはずです。動かす順番を決め、毎回同じように動かすようにすればそれが習慣になり、磨き残しを防げますよ。

 

歯磨き粉は不要

歯磨きをするさいには歯磨き粉をつける、それが習慣になっている場合が多いですよね。しかし電動歯ブラシを使うときには、基本的に歯磨き粉は不要です

問題は、歯磨き粉の泡立ちによって歯の表面の汚れがきちんと落ちたかが確認しづらいこと。さらに泡立ちによって磨いたような気になってしまうことも磨き残しができる原因です。

とはいえ、歯磨き粉にはさまざまな効果があり、口臭予防やフッ素塗布など取り入れたい成分もあるでしょう。

電動歯ブラシを使うさいにはできるだけ泡立ちの少ないものを選ぶようにしてください。そして、研磨剤が入っていないかも確認しましょう。研磨剤が入っていると歯の表面が削れ、知覚過敏になってしまう可能性が高くなります。

【関連記事】歯磨き粉のメリット・デメリットについての記事はこちら
歯磨き粉はいらない? 歯磨き粉を使わないメリット・デメリットと口内ケアで大切なこと

 

フロスを併用する

電動歯ブラシを正しく使っていても、すべての歯垢を奇麗に落とせるわけではありません。たとえば歯間です。歯と歯の間はブラシの毛先も届かないため、電動歯ブラシを使っていても、最後の仕上げにはデンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう

歯茎との境目にもフロスは活躍しますよ。

【関連記事】フロスについての記事はこちら
歯医者から見たフロスとは? 実はフロスが超主役級である5つの理由

 

電動歯ブラシの種類と特徴

では、電動歯ブラシにはどのような種類があるかを紹介します。代表的な種類は次の3つです。

  • ・振動式
  • ・音波式
  • ・超音波式

 

【振動式】

ベーシックな電動歯ブラシです。価格も安価で、トライしやすいでしょう。

内部モーターを使って毛先を振動させ、歯垢を粉砕します。商品によっては円形のブラシが回転するものもあるので、好みによって使ってくださいね。回転式振動ブラシは、歯の裏側や奥歯にも毛先が届きやすいという特徴があります。

 

【音波式】

振動式の電動歯ブラシに音波振動をつけたものです。音波によって高速の水流が発生し、毛先から数ミリ離れている歯垢でも粉砕可能です。

フロスに慣れない人や歯磨きにできるだけ時間をかけたくない人でも、音波式の電動歯ブラシであれば歯間の汚れや歯周ポケットの中の磨き残しの軽減が期待できますよ。

 

【超音波式】

電動歯ブラシの中で最も高価な製品が、超音波式のタイプ。音波式よりもさらに高い振動数で歯垢を粉砕、歯から剥がして取り除きます。

さらに歯の周囲にいる細菌同士の連鎖を断ち切り、歯に歯垢がつきにくくする効果も! そのため、虫歯や歯周病対策として有効です。

 

電動歯ブラシのメリット・デメリット!こんな人におすすめ

電動歯ブラシにはさまざまなメリットがありますが、当然ながらデメリットも存在します。ここではメリットとデメリットを紹介し、電動歯ブラシをおすすめしたい人について解説します。

 

電動歯ブラシのメリット

まずはメリットから。電動歯ブラシを使うと良い点は、以下の4つです。

  • ・使い方が簡単
  • ・歯磨きで疲労せずにすむ
  • ・短時間で歯磨きが完了する
  • ・歯垢除去力が高い

 

使い方が簡単

電動歯ブラシは使い方が簡単です。力を入れないようにして磨きたい場所に毛先を軽く当て、電源スイッチを入れるだけ。自分でこする必要はないので、ゆっくり動かしていけば誰でも歯を奇麗に磨けます。

自力ではどうしても歯磨きが上手にできないという方におすすめです。

 

歯磨きで疲労せずにすむ

電動歯ブラシは自分で歯ブラシを持って四方八方に動かし、細かく歯の表面をこする必要がありません。

歯磨きは一般的に3分間磨くことと言われますが、しっかり磨くと腕や手が疲れてしまいます。そのために小さな子供などは面倒くさがって、磨かないことも多いのですね。

電動歯ブラシは柄を支えるだけでいいので、腕や手が疲れにくくなっています。筋肉がない人や疲れやすい人にもおすすめです。

 

短時間で歯磨きが完了する

汚れを粉砕して落とすため、手動の歯磨きに比べて汚れの落ち方がスムーズ。結果的に、短時間で歯磨きが完了します。

朝の忙しい時間にデンタルケアはしっかりしたいけれどそんなに時間をかけられないという方にはぴったりでしょう。

 

歯垢除去力が高い

電動歯ブラシは高速振動するブラシを使い、強力に歯垢を除去します。さらに音波タイプや超音波タイプになると、ブラシによる物理的な清掃にプラスして音波などを利用した清掃も期待可能です。

しっかり歯垢を除去したい方は電動歯ブラシを使ってみてくださいね。

 

電動歯ブラシのデメリット

対してデメリットは、コストがかかることです。値段は基本的な振動タイプで1,500円くらいからありますが、超音波など性能が良いタイプであれば10,000円を超えることも。

ブラシヘッドは3カ月程度の交換も必要なため、一般的な歯ブラシに比べるとコストがかかります。

 

便利な電動歯ブラシは正しく使ってこそ!

電動歯ブラシは自分でブラシを動かす必要がなく、そっと歯に当てて移動させるだけで簡単に歯垢除去が可能な商品です。

コストはかかりますが、短時間で高い歯垢除去力を発揮するため、手軽に口内清掃をしたい人にはおすすめなアイテム。とはいえ、正しい磨き方をしなければ歯や歯ぐきを傷める結果になります。

電動歯ブラシを使うさいにはまず、正しい磨き方、使い方を学びましょう。すっきり心地よい口内を目指し、便利に使ってくださいね。


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監修・執筆

ハピネス歯科クリニックの院長、大久保 圭

ハピネス歯科クリニック 院長 大久保 圭

秋田市の歯医者。出身地:北海道。出身大学:岩手医科大学歯学部。 ハピネス歯科クリニックでは、歯の悩みが何もない健康を保っていただくために、予防歯科を特に大切に考えています。 本ブログを通して、あなたの健康づくりに役立つ質の高い情報発信を心がけています。

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