プラーク(歯垢)の取り方を解説! 虫歯や歯周病を防ごう
<当院の感染拡大防止について>
手洗い・アルコール消毒・うがいの徹底
ドアの開放、空調を強めに設定する 等、定期的に室内換気を行っております
次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
スタッフ一丸となって、新型コロナウイルスの感染拡大防止に善処致します。
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
毎日しっかり歯磨きをしているつもりでも、プラーク(歯垢)を100%取ることはできません。
プラークは細菌の塊。プラークがあれば虫歯や歯周病、口内炎などの口内トラブルが発生します。病気にならないように、できるだけプラークは取っておきたいですよね。
ここでは歯科と自宅でのプラークの取り方を紹介します。
口内トラブルを防ぎ、健康を維持しましょう。
プラークが口内トラブルの原因! しっかり取って健康を守ろう
プラークは、歯の表面についている白やクリーム色をしたもののこと。歯垢や汚れと言われることもあります。
プラークのことを食べかすと思っている方がいますが、あの白い塊は細菌が集まったものです。1mgのプラークの中には、何と約10億の細菌がいます。細菌は虫歯や歯周病の原因菌ですね。
これを除去せずに放置していると、細菌は活動を活発化させます。どんどん増えて歯を溶かし、歯肉の中へ入り込んで炎症を引き起こすのです。
プラークは時間が経つと、歯石へと変化します。プラークの状態であれば自力での除去ができますが、歯石へ変わってしまうと歯科の専門の機械でなければ除去できません。
そのため、毎日の歯磨きがとても大切なのですね。
さらに、数カ月ごとに歯科での定期的なクリーニングを受けて、しっかりプラークを除去していきましょう。
プラークは細菌が薄い膜となって重なったもの
プラークは、歯の表面であるエナメル質にペリクルという薄い膜ができることから始まります。
ペリクルは粘着性があるため、そこに同じように粘着性のある細菌が付着し、薄い層を形成。それが何度も繰り返されて、塊になっていきます。
鏡を見ずにプラークがあるかどうかを知りたければ、舌で触ってみることです。プラークはザラザラしています。
つまり、舌で触った歯がザラザラしているなあと感じるときは、プラークが付着しているのですね。
プラークは歯のどの部分につくかによって、次の2つに分けられます。どちらも細菌の塊という意味では同じものです。ただし、どこにあるプラークかによって、中にいる細菌の種類が変わってきます。
【歯肉縁上プラーク】
歯の表面、見えているところについているプラークが、歯肉縁上プラークです。歯の表面についたプラークが出す酸は虫歯の原因となり、歯肉との境目についたプラークは歯周病の原因になります。
【歯肉縁下プラーク】
人の目から見えない、歯周ポケットの中にあるプラークが歯肉縁下プラークです。歯周病が進行してできた深い歯周ポケットの中につくため、歯ブラシでは取れません。
歯周ポケットの中は酸素が薄いため、酸素を嫌う細菌が棲みついて、バイオフィルムと呼ばれる頑丈な塊を作り出します。
プラークが付着するとあるリスク
では、プラークが付くとどんなリスクがあるのか、確認しましょう。以下の3つが考えられます。
- ・虫歯や歯周病
- ・心筋梗塞や脳梗塞
- ・誤嚥性肺炎
虫歯や歯周病
前述したように、プラークの中にいる虫歯菌や歯周病菌により、虫歯や歯周病が発生します。
虫歯菌は酸を出し、歯の表面を溶かして歯の中に侵入。どんどん穴を開けていき、最終的には神経を汚染します。強い痛みがあるため、夜も眠れなくなるなど日常生活に大きな影響を及ぼす病気ですね。
歯周病は感染症の1つ。歯の周辺組織に細菌が侵入して繁殖し、骨を溶かしていく病気です。最後には歯が抜けてしまう怖い病気で、日本人の成人の約8割が罹患していると言われています。
心筋梗塞や脳梗塞
プラークの細菌が歯茎の奥深くに入り込み、そこから血管に侵入することがあります。その結果、細菌は血管を通って全身へ散らばり、毒素をまいて炎症を発生させるのです。
そこで引き起こされるのは動脈硬化。動脈硬化は血管の壁が厚くなったり薄くなったりする症状で、血管としての働きを弱めてしまいます。
そして動脈が狭くなり、血液の中で血が固まる「血栓」が形成され、心筋梗塞や脳梗塞といった病気を引き起こす原因になるのですね。
誤嚥性肺炎
プラークがいっぱいの口内では、細菌の数は膨大になっています。そのため食べ物や唾液、水分にもたくさんの細菌がくっつくことに。飲み込むときにそれらが間違って胃ではなく気管に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こす原因となります。
誤嚥性肺炎は日本人高齢者の上位死因の1つ。プラークの除去で、肺炎になるリスクを軽減できるのです。
【歯科での対応】プラークの取り方
歯科でのプラークの取り方をみていきましょう。歯科では健康保険を使った治療と自費の治療があります。
健康保険内治療
健康保険を使った治療では、対応は次の2つ。
- ・プラーク除去
- ・歯石除去
プラーク除去は保険内でのクリーニングで行います。特に歯周ポケットの奥深くに入ったものは、自力では除去できません。
歯科では超音波をプラークにぶつけて取り除き、綺麗にしていきます。
またプラークが固まって歯石となっていれば、専用の機械での歯石除去も必要です。1本ずつの歯を綺麗にしてくれますよ。
健康保険外治療
そして健康保険外の自費治療では、以下3つの方法があります。
- ・クリーニング
- ・マウスピースでプラーク除去
- ・抗生物質で除菌
保険内治療では使えない機械を使って、徹底的な清掃をするのがクリーニング。PMTCと呼ばれています。
他にもマウスピースに殺菌作用の強い薬を入れ、歯にはめることでプラークを除菌する方法もあります。3Dと呼ばれているもので、とても除菌効果が高い方法です。
また、抗生物質を使ってプラークを除菌する方法もあります。
使う抗生物質はジスロマック。ジスロマックはマクロライド系の抗生物質で、特徴は作用期間が長いことです。プラークに効果的で、特に歯周病が進行した人にはおすすめします。
歯茎の腫れや膿が改善しやすくなりますよ。
【自宅での対応】プラークの取り方
自宅でできる、プラークの取り方はこの2つです。
- ・歯磨き
- ・フロスや歯間ブラシ
歯磨き
実は、歯磨きを正しくできている人はほとんどいないと言われています。そしてもし歯磨きが正しくできていたとしても、歯ブラシで取れる汚れは全体の約6割。歯ブラシの後にフロスや歯間ブラシでケアをして、やっと約8割の清掃度なのです。
そこで、プラークをしっかりとるための歯磨き方法を紹介しますね。この2つがあります。
- ・スクラビング法
- ・バス法
スクラビング法
歯の表面や歯と歯の間のプラークを落とすために有効な歯磨き方法です。
1、歯ブラシを横向きに持つ
2、歯面に垂直に(90度の角度で)毛先を当てる
3、1本ずつ磨くように小刻みに左右に動かす
注意:2本や3本の歯を一緒に磨こうとすると、歯間に毛先が入りません。1本をしっかり磨くという意識で行ってください。
バス法
歯と歯肉の境目のプラークに有効な磨き方です。歯周ポケットがさほど深くなければ(歯周病が進行していなければ)歯周ポケット内のプラークを除去できます。
1、歯と歯肉の境目に歯ブラシに毛先が当たるように、45度の角度で毛先を当てる
2、力を入れずに小刻みに歯ブラシを動かす
注意:歯と歯肉の間に毛先が入り込むのを感じられたらOKです。歯肉を傷つけないように、力を入れずに優しく磨きましょう。
フロスや歯間ブラシ
歯ブラシで優しくプラークを取ったあとは、デンタルフロスや歯間ブラシを使って最後の仕上げをしましょう。
歯ブラシではどうしても取れないプラークをこそぎ落とします。
【関連記事】歯間ブラシの使い方や特徴についての記事はこちら
歯間ブラシの特徴や使う場所・正しい使い方を解説! デンタルフロスとの違いも紹介
【関連記事】糸ようじ(デンタルフロス)についての記事はこちら
糸ようじは歯ブラシ後のマストアイテム! 上手な使い方や使うべき理由
プラークのうちに除去すれば口内の健康は守れる!
プラークは細菌の塊で、放置しているとやがて歯石に変わります。プラークであれば歯ブラシで取れますが、歯石に変わってしまえば自力での除去は困難です。そのため、できるだけプラークであるうちに取り除くことが大切なのですね。
毎日の歯磨きを丁寧に、しっかりすることはもちろんですが、3カ月おきに歯科検診を受け、クリーニングをしてもらいましょう。
プラークを取ることは、お口だけでなく全身の健康にとって重要です。ぜひ意識して歯磨きしてみてくださいね。