歯医者がすぐ削る理由を説明! 歯を削らない・削る量が少ない治療法も紹介
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鏡を見ていたら歯が黒くなっているのに気づいたので、歯科に行ったら「そんなに削るの!?」と驚くくらい歯を削られた! そんな経験を持つ方は珍しくありません。なぜそんなに歯を削るのか、歯科医に対して不満や疑問を持つ方もいるでしょう。
しかし、歯科医が歯を削るには、ちゃんと理由があります。
この記事では歯科医が歯を削る理由や削らない治療の有無、削る量が少なくて済む治療法などについて、紹介します。理由を知り、納得して治療を受けられるようにしましょう。
歯医者はすぐに歯を削る? 昔と今の歯科治療の「普通」が関係している
歯科医には、歯をすぐに削る歯科医と削らない歯科医がいます。とは言え、少し前までは一般的に「歯を削る治療」がよしとされていました。これは「予防拡大」という考え方で、虫歯ができると虫歯の拡大を予防するために、感染していない部分まで拡大して削るのですね。
そのため、昭和や平成の中頃までは、現代では削らない初期虫歯でも歯を削って銀歯を入れる治療が「普通だった」わけです。
もちろん現在においてもすぐに歯を削る歯科医はいます。それはそれぞれの歯科医の考えや判断によるものですが、世界の大きな流れでは「歯はできるだけ削らない」方向に向かっていることは間違いありません。もちろん、日本もその流れに入っていくでしょう。
もしも歯をあまり削らないでほしいということであれば、費用は高額になりますが、削らない虫歯治療は存在しています。どうしても削りたくないという方は、実施している歯科を探すか、担当の歯科医に相談してみましょう。
歯科を受診したらすぐに歯を削られた! その理由とは?
では、歯科を受診したらすぐに歯を削られたという場合は、どのような理由があるでしょうか?
歯科医の多くは、悪くなったその歯のみを見るわけではありません。口内全体を見て、その人の虫歯がどの程度の速度で悪化するかを判断しています。
たとえば虫歯の治療がひとつもされていない人の場合、初期虫歯をみつけても自然治癒する可能性が高いと考えられます。なぜならその人は、今までに銀歯を入れるほど悪化した虫歯になったことがないからですね。
それに対し、口内にはすでに神経を失った歯が銀歯になっていくつもあるという人の場合は、虫歯が進みやすい体質であると考えられるでしょう。進化しやすい方であれば、初期虫歯でも削って治療する方が、歯の健康な部分をより多く守れます。
また、以下の理由もあります。
- ・虫歯が多いから
- ・詰め物や被せものをしっかりはめるため必要であるから
虫歯が多いから
虫歯がすでに進行している場合は、虫歯に感染した箇所を残したままで詰め物は入れられないため、当然多くの部分を削ることになります。
詰め物や被せものをしっかりはめるため必要であるから
詰め物や被せものは、詰めたあと、被せたあとにすぐに抜けないように深く削らなくてはなりません。そのため、虫歯そのものは小さくても周囲の健康な部分まで削られることになります。
歯を削る治療のメリット・デメリット
歯を削ることに対する、メリットとデメリットをみていきましょう。
歯科治療で歯を削るメリット
歯を削るメリットは、以下の3つです。
- ・確実に感染部分をなくすため
- ・虫歯が拡大するのを予防するため
- ・現在の歯痛の解消
特に神経まで感染しているような深い虫歯の場合、日常生活を普通に送れないほどの痛みが出ている可能性が高いもの。治療によって神経が露出し、それを取り除いて殺菌することで、ひどい痛みが解消できます。
歯科治療で歯を削るデメリット
歯を削るデメリットは以下の4つです。
- ・歯への負担が大きい
- ・二次カリエスのリスクがある
- ・噛み合わせが変わる
- ・見た目の悪さがある
歯をドリルで削ることは、それだけで歯にとってはかなりの負担です。神経が残っている歯の治療では、削ることによって神経が影響し、治療後に歯痛が発生することもあるでしょう。
さらに、一度でも削って治療した歯は二次カリエスのリスクがあります。二次カリエスとは同じ歯が再び虫歯になること。詰め物や被せものと歯の間に隙間ができ、そこから虫歯菌が侵入して発生します。
そして、歯を削って詰め物などをすることによって噛み合わせが若干変化するため、左右で噛む力の差がでるなどの影響があるかもしれません。また、保険診療で銀歯を入れた場合は見た目の悪さもデメリットです。
歯を削らない治療法はある
一般的な歯科で歯を削らずに済むのは初期虫歯だけですが、現代ではレベルが進んだ虫歯を削らずに治す方法も存在しています。ただし、いずれも保険外で費用が高額となるうえに、実施している歯科は少なく誰でも気軽に受けられるというわけではありません。興味を持つ方のために、紹介しますね。
歯を削らない治療法は、以下の5つです。
- ・ドックスベストセメント
- ・3Mix法
- ・カリソルブ
- ・ヒールオゾン
- ・レーザー
いずれも神経を残し、健康な歯を削らずに治療します。それぞれの治療法についての詳細は、以下の記事を参照してください。
【関連記事】歯を削らない歯医者についての記事はこちら
歯を削らない歯医者は正しい? 歯を削るデメリットを確認しよう
歯は削るけれど極力少ない量を削る治療法
では、一般的な歯科でも受けられる「歯は削るけれどもその量が極力抑えられている治療法」を紹介します。
以下の3つが代表的です。
- ・コンポジットレジンを使う
- ・ジルコニアやオールセラミックを使う
- ・MTAセメントを使う
歯を削る量が少ない治療法①コンポジットレジンを使う
歯を削る量を極力少なくするのであれば、コンポジットレジン治療がおすすめです。銀歯の詰め物や被せものをする場合は接着のために多くの歯を削る必要がありますが、歯科用プラスチックのレジンでは、歯を削る量が一段と少なくて済みます。
たとえば歯と歯の間にある虫歯は、虫歯に感染した箇所を削ったのち、そこだけにプラスチックを詰められます。周囲の健康な部分を削る必要はないのですね。
ただしすべての歯でコンポジットレジンが適応できるわけではなく、虫歯の範囲によっては使用できないこともあります。
歯を削る量が少ない治療法②ジルコニアやオールセラミックを使う
被せもの(クラウン)を作るためには歯を一周削らなくてはなりませんが、銀歯ではなく他の素材の場合、歯を削る量が異なります。
たとえばジルコニアやオールセラミックの場合です。いずれも歯を薄く削るだけで被せられるため、従来よりも歯を削らずに済みます。ただしこちらも、噛み合わせや口内の状況によっては適応できないことがあります。
歯を削る量が少ない治療法③MTAセメントを使う
神経をなるべく残す治療には、MTAセメントを使う方法もあります。
通常、虫歯を削っていて突然神経が露出したときは、そのまま神経の治療をして被せものへと移ります。しかしMTAセメントを使えば、その神経を残せる可能性が出るのです。
すべての人の神経を残せるわけではないのですが、MTAセメントについては治療文献も多く、有効な治療法と判断されています。
歯科医が歯を削るのには理由がある! ストレスをなくすために自分に合った歯科医を選ぼう
多くの歯科医は、歯を削ることの負担やリスクについてわかったうえで、歯を削るという選択をしています。とは言え、現代の治療は「できるだけ歯を削らない」という流れです。そのためこれからは、ますます「歯を削らない治療」が増えていくと考えられます。
しかし何よりも大切なことは、そもそも虫歯を発症しない、これに尽きます。
歯を削られたくないと考えるのであれば、予防歯科に力を入れましょう。毎日きちんと歯磨きをし、フロスや歯間ブラシを使って清掃度合いを上げてください。そのうえで、3カ月に一度は歯科へ定期健診に行きましょう。そこで虫歯がみつかっても、初期であればケアで自然治癒も可能です。
また、自分に合った歯医者を選ぶことも大切ですよね。それについての記事はこちらをどうぞ。
【関連記事】歯医者の選び方についての記事はこちら
歯医者の選び方:6つのタイプと自分にとっての良い歯医者を選ぶ方法